突発性難聴でやってはいけないことについて、患者の立場からまとめました。
突発性難聴の治療中にやってはいけないこと
突発性難聴の治療中にやってはいけないことは下記の10項目です。
- 治療の先延ばし
- 大きな音を聞くこと
- 大きな声を出すこと
- 水分不足
- どろどろ血になるものを食べること
- 飲酒
- 喫煙
- 気圧の変化
- 激しい運動
- ストレスをためること
私が実際に突発性難聴になったときの経験も踏まえてご説明します。
治療の先延ばし
元患者として声を大にしてお伝えしたいのが治療の先延ばしをしてはいけないということです。
「治療はできるだけ早く、遅くとも2週間以内に」
などと書いてあるサイトも有りますが、これだと、
2週間以内に行けば良いのか~、じゃあ仕事を片付けてからにしよう・・・
って考えてしまう方もいるかもしれません。
なぜ早く治療を開始しないといけないかというと、突発性難聴の原因として考えれれているものの一つに血流不足があり、血流が不足した状態が続くと聴神経の細胞が壊死してしまうからです。
(突発性難聴の原因は、血流不足、ウイルス感染、自律神経障害などが考えられてますがはっきりしていません)
心肺停止の蘇生は、下記のように時間の経過とともに急激に減少しますが、これと同じイメージだと考えた方が良いです。
だから、2週間以内ではなく、今すぐに治療を開始すべきです。
私の場合、発症が日曜日だったので翌日の月曜日に病院に行きました。
月曜日の朝、少し聴こえが良くなっていたので、まだ復活する力が有ったということになります。もし、発症した日に治療していればもう少し良くなったかもしれないと思います。
大きな音を聞くこと
大きな音は弱った聴神経にとどめを刺すので、絶対に避けなければなりません。
うるさいところに行く時は、できれば耳栓をしていた方が良いでしょう。
突発性難聴の治療中にイヤホンで音楽を聞くのは、なるべくしないほうが良いです。
大きな声を出すこと
ボーカリストに突発性難聴が多いのはご存知かと思います。
自分の声は骨(頭蓋骨)を伝わって耳に到達(骨伝導)するので、大きな音を聞くのと同じく、聴神経にダメージを与えます。耳栓をしても意味がありません。
特に高音は頭蓋骨や鼻腔で共鳴が起こると言われており、大きなエネルギーが発生し聴神経にトドメを刺します。
治療中にカラオケに行く人はいないと思いますが、どうしても行かなくてはならない場合でも歌うのはやめましょう。
水分不足
突発性難聴の原因の一つは、耳の神経の血流不足と言われていますので、血液がドロドロになることをとにかく避ける必要があります。
こまめに水分をとり、喉が乾いたと感じる状態にならないように注意する必要があります。
カフェインやカリウムを含む飲み物には利尿作用があるので、なるべく控えた方が良いです。
但し、病院では特に飲み物については言われませんので、さほど神経質になる必要は有りません。ストレスになるのも良くないので、利尿作用のあるものを飲んだら、水も飲んで水分不足にならないようにすれば問題有りません。
どろどろ血になるものを食べること
水分を十分にとっても、血液中の糖分や脂質が高くなることで血液はドロドロになります。
特に、血糖値は食べればすぐに上がるので、ご飯、パンなどの糖質をなるべく減らした食事にしたほうが良いです。
突発性難聴の治療は、せいぜい2週間程度ですから甘いものは我慢しましょう。
要は、一般的に言われている健康に良い食事を心がけることです。
コーヒーは、血液をサラサラにしてくれる効果が有りますが、カフェインに利尿作用があるので飲み過ぎを避け、水分を適宜補う必要が有ります。
飲酒
少量のアルコールなら問題ないとされています。但しにはアルコールには強い利尿作用があるので、飲み過ぎはよく有りません。
特にビールには、カリウムも含まれるので、飲んだ分と同量の水を飲む必要があります。
喫煙
喫煙はやめたほうが良いとされています。
ニコチンは血管を収縮させるので、血流を悪化させるので、突発性難聴の治療時に処方されるアデホスなどの血管拡張作用のある薬の効果を悪くします。
気圧の変化
飛行機に乗ると気圧が急激に変化するので、耳に負担をかけ、避けたほうが良いとされます。
ダイビングは減圧症(潜水病)により窒素が気泡化して血流障害を起こす可能性もあり、避けるべきです。
激しい運動
軽度な運動は問題ないとされます。但し、運動の前後に水分を補給して水分不足にならないようにします。運動した方が良いというエビデンスは無いそうですが、適度な運動は血流を良くしますし、ストレスの解消になるのであれば、した方が良いかもしれません。
激しい運動は、酸素不足を招く可能性があるので避けたほうが良さそうです。
筋トレなどの無酸素運動は、特にダメだというエビデンスは無いようですが、筋肉に緊張が残らないようストレッチなどを併用した方が良さそうです。
ストレスをためること
ストレスは万病の元で、突発性難聴の原因の一つともされます。
ストレスによって自律神経のバランスが悪化し、交感神経が働いて緊張状態になります。
すると、筋肉が硬直したり、血液がドロドロになり、突発性難聴の治療効果も薄れると考えられます。
できれば仕事を休み、リラックスした状態で治療するほうが良いです。
突発性難聴治療後にやってはいけないこと
上記の治療中にやってはいけないことが、治療結果がどうであったとしても治療後もほぼあてはまります。
しかし、制約ばかりで人生を楽しめなくなっては本末転倒です。
- 水分不足に注意すること。
- なるべく健康的な食事、生活をすること。
- ストレスとうまく付き合うこと。
には注意することにして、あとはできる限りのことをして、難聴を悪化させないようにしていけば良いと思います。
日常生活で忘れがちな、注意すべきことは以下のとおりです。
大きな音、大きな声
ライブやカラオケなども楽しめば良いのですが、弱っている聴神経に大きな音は厳禁です。
自分の場合は不注意で、マイクのハウリング音にやられて悪化した経験があります。
いつも耳栓を携帯して、音が大きいと感じたらすぐに付けられるようにした方が良いです。
スポンジなどでできた耳栓だと高音だけが減衰するので、音楽用の耳栓を使うと良いです。
上記のとおり、自分の声は耳栓では防げないので、カラオケなどでは大きな声を出しすぎないことです。
補聴器
補聴器は、聴こえにくい音を大きくするものなので、耳への負担は増えます。
突発性難聴は、両耳同時に起こることは稀なので、片耳が健常で聴こえに問題がないようなら付けないほうが良いと思います。
私の場合、左耳なので左側からの声は聞き取りにくいですが、顔を左に向けてしのいでいます。
もちろん、会話が聞き取れなくて日常生活に支障があるようなら必要になると思いますので、お医者さまとも相談して着用を決めてください。
健康な方の耳への負荷
電話を受けるときは、難聴の左耳で受けるようにしています。聞き取りにくいのですが、電話の音を大きくして対応してます。
片側が難聴でも、片側が健康ならなんとかなります。健康な方の耳も難聴になるのが怖いので、負担をかけないようにしています。
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