NHKで、ガッテン!「朗報!耳鳴りが劇的改善 自宅でできる新発想治療」が、2020年4月1日(水)に放送されました。
この内容と、突発性難聴患者である私の感想を書きました。
放送の内容
この日は、耳鳴りと「注意力」の関係に注目した内容でした。
- 「注意力」のせいで耳鳴りが気になって集中できない人
- 耳鳴りの原因を病院を10ヶ所も回っている人
などのケースが紹介されました。
耳鳴りは耳の病気と考えられてましたが、「注意力」に注目することでの改善が世界中で起こっているそうです。
耳鳴りに注意が向くから耳鳴り
耳鳴り⇒注意が向く⇒苦痛を感じる⇒さらに注意が向く⇒耳鳴りが大きく聞こえる
という循環で、耳鳴りが気になってしまうわけです。
脳の、楔前部(けつぜんぶ)と呼ばれる部位が、集中力の向き先をコントロールしています。
この部分の状態を調べることで、注意力が働いているかが判ります。
耳鳴りがあっても重症でない人は、集中力が働いておらず、重症の人は集中力が高い状態が続いていることが研究で判ったそうです。
耳鳴りに悩む人は、気にするな、と言われても、気にしないことを気にしてしまうので、気にしないのは無理なんです。
改善方法
改善方法とされたのは、ホワイトノイズ(テレビの放送が終了した時の雑音のような音)を聞くことです。
テレビで使った音は、滝の音を録音したものだそうです。
あらゆる周波数の音が混ざっているホワイトノイズを聞くことで、耳鳴りの音が隠れて、耳鳴りの音に対する注意力を分散させることができるという理屈です。
耳鳴りのせいでよく眠れないという試験者の方の例では、就寝中にホワイトノイズを聞くことで、ぐっすりと眠れたそうです。
これを応用した補聴器として、ホワイトノイズを発生させる補聴器も研究されています。
但し、耳鳴りの音を消すことはやはり難しいので、耳鳴りから注意力を外すことが大切だということです。
好きなことをしたり、他の物事に集中することで、耳鳴りに縛られないように気持ちを持っていくことがポイントだということでした。
海外では、マインドフルネスという瞑想のようなもので、耳鳴り以外の体の部位に注意力を向ける訓練で、効果をあげている事例があるそうです。
耳鳴り患者から見た感想
改善方法の雑音を聞く方法は良いと思います。私もテレビでこの音が流れた瞬間に、耳鳴りが和らぎました。
しかし、番組の録画を見ながら、この記事を書いているときには、耳鳴りが強烈に鳴り響いていて、かなりキツかったです。耳鳴りに注意力が向いていたせいだということは疑う余地もありません。
あらためて、自分の耳鳴りはかなり重症だと思いました。
でも、私の場合、耳鳴りから注意を外すことは、突発性難聴になって耳鳴りが始まった初期の頃から幸いできているので、さほど苦痛を感じずに過ごせています。
耳鳴りのことはとにかく考えないことが大切だと思っているので、耳鳴り治療の講習会みたいなものには、参加したいとは思いません。
今回の寝るときにホワイトノイズを聞く方法は、一度試してみても良いかと思いました。
突発性難聴の耳鳴りにも有効?
耳鳴りだけを考える場合は、今回の内容は良かったと思いますが、突発性難聴による耳鳴りにでも同じなのかが気になりました。
番組では、耳鳴りの発生原因については何も言ってませんでした。
決定的なことは未だに判っていないようですが、私としては、聴神経の劣化によって音のセンサーの性能が落ちるので、脳がその分ゲインを上げて音を聞こうとするため、聞こえない音が耳鳴り音になる、ものだと思っています。
つまり、少なくとも突発性難聴による耳鳴りの原因は、聴神経の機能が落ちることだと思います。
以前に放送されたガッテンでも、補聴器で聞こえない音の音量を上げることで耳鳴りを改善するというのがありました。
このとき気になったのは、大きな音を聞くことによる聴神経へのダメージです。
今回のホワイトノイズを夜通し聞き続ける方法も、聴神経へダメージを与えないのか、劣化を進行させて、難聴を悪化させないかが気になります。
なので、耳鳴りがどうしても我慢できない場合の除き、なるべくこのようは方法には頼らない方が良いかと思います。
やはり、耳鳴りは無視、しか無いんです。無視しようと努力するのではなく、無視と決定してしまうことです。
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